ペレタイザーが造粒するペレットは、プラスチック製品の材料になったり廃材を活用した製品になったりと、用途はさまざま。初めてペレタイザーの導入を検討する場合は、どんな材料を活用してペレットを作りたいのか、目的を明確にしてからペレタイザーを選ぶことが大切です。このサイトでは、ペレットの使用目的に合ったペレタイザー選びに役立つ情報を紹介します。
ペレタイザーは、樹脂や木材、ゴムなどをペレット化する工程(ペレタイズ)を行う機械装置の総称です。ここでは、ペレタイザーの使用目的のほか、ペレタイザーが作り出すペレットの種類などをまとめて紹介します。
ペレットの原料は、プラスチックのほか、木くず、ゴムくずなどの廃材です。これらの材料を、ペレタイザーで再利用可能な「原料ペレット」や「木質ペレット」などに加工。
そのペレットを製品の原材料や、ストーブなどの燃料として資源の再利用することを目的としています。
ペレタイズとは、樹脂をペレット形状にしてカットしていく工程のこと。ペレット加工の方法は、原料となる樹脂などの粉砕が必要か必要でないかで製造工程が異なります。
原料の大きさの目安は5㎜以下。原料の大きさが5㎜以上の場合は、加工前に粉砕を行う必要があります。
粉砕後は、粉砕した原料の含水量が10~15%ほどになるよう、乾燥または加湿して調整をします。カット・粉砕後に、ペレタイザーでペレット状に加工します。ペレットは、加工直後は100℃近くになることも。そのため、結露による吸湿を防ぐために冷却処理を行う必要があります。
ペレタイザーは、廃棄処分されたスクラップ材(廃プラや廃木材、廃ゴム)などをペレット形状にしてカット(ペレタイズ)するための機械装置です。 廃プラスチックなど粉砕しスクラップ材料を再利用するために、熱で加熱しスパゲティ形状にし、カットしてペレット加工します。
ペレットは、プラスチックの形成材料として使う樹脂ペレットやストーブやボイラーの燃料として使われる木質ペレット、レジ袋など素材として使われるゴムペレットなど、スクラップ材によってさまざまなペレットの種類があります。
廃プラスチックなどをペレット形状にしてカットする機械装置のペレタイザーの基本的な仕組みについて簡単にご紹介します。
廃プラスチックなどを粉砕したスクラップ素材を、円筒型のシリンダー内で、加熱し溶かしこんで押出して造粒(ペレット)加工し、先端のダイスから押し出します。押し出された先に付いている回転刃でカッティングしペレタイズに加工する機械をペレタイザーと呼びます。
ペレタイザーには大きく分けて3つの種類があります。このページでは「ストランドカット」「水冷式ホットカット」「水中カット」の3種類について紹介しています。各方式のメリットデメリットをふまえて、目的に合ったペレタイザーを選びましょう。
ストランドカット方式は、粉砕したスクラップ材料を熱で溶かし混錬され、ダイスから押し出された再生樹脂がスパゲティ形状になることからスラッドと呼ばれています。
古くからペレット加工で使われているストランドカット方式のペレタイザーは、加工されたペレットに異物の購入が少なく品質が良いと多くのユーザーに好まれています。しかし、異物の混入が少ない一方で、異物が混入しているとペレット加工ができないデメリットがあります。
水冷式ホットカット(ウォータリングカット)とは、スクラップ材料が熱によって溶け混錬されダイスから出てきた生成樹脂を、ペレタイザー内のダイス(押し出し口)で回転する回転刃でカットしてペレット形状に加工する方式のこと。
冷水式ホットカット(ウォータリングカット)方式のペレタイザーは、ストランドカット方式のように、ストランドを引いたり、直したりする作業を省くことができ安定してペレット加工ができます。また多少の異物が混入していてもペレット加工ができます。
水中カット方式は、ダイスが熱せられたお湯に接していて、再生樹脂がダイスからお湯の中に直接押し出され、水中でカットする方式のこと。アンダーウォーターカットとも言われています。
水中カット方式のペレタイザーは、冷水式ホットカット方式のペレタイザーと仕組みはよく似ていますが、水中カット方式はペレット加工が完成するまで一度も空気に触れることなく加工が完成する点が大きく異なります。
ペレタイザーで作られるペレットは、材料によって使用用途が異なります。ここでは、使用する材料別にペレットの目的・活用事例を紹介します。
プラスチック樹脂ペレットとは、プラスチックを3㎜から5㎜の粒状に成型した素材のことです。主にプランター容器、荷物搬送用パレット、車両用ステップ、雨水貯留槽など、さまざまなプラスチック製品の成型材料として使用されています。
木材ペレットとは、直径6~8㎜、長さ5~40㎜の円筒状に圧縮成形した木質燃料です。主にストーブやボイラーなどの燃料として使用されています。このことで、木質素材のムダを生まない燃料として注目されています。
プラスチック樹脂ペレットや木質ペレット以外にも、角ペレットや飼料ペレットなど、シート形成時の耳や端材などのロス品から作られる各ペレットや食物を破砕して加圧形成して作られ飼料ペレットなどさまざまな種類のペレットがあります。
ペレタイザーには、樹脂ペレット製造用、木質ペレット製造用のほか、食品や医薬品、肥料や飼料の製造用など、さまざまな種類があります。ペレタイザーを手掛ける主なメーカーをご紹介します。
※Googleで「ペレタイザー」と検索した際に表示される会社で、ペレタイザーを取り扱う上位20社を選定、掲載しています。(2022年11月調査時点)
製材所の木クズや間伐材を原料とした木質ペレットや、生ゴミを原料とした肥料用ペレットの製造に対応するペレタイザーを製造する榎本ビーエー。同社のペレタイザーは、公共性の高い施設で多く導入されています。
樹脂加工に特化した押出機やホットカット装置、ペレタイザーの製造・販売とメンテナンス手掛けるオーエヌ機械。同社が取り扱う押出機は、ストランド式とベント式、ペレタイザーは汎用型と低騒音型となっています。
主として粉砕機や破砕機を製造する大達精工場。同社の角ペレタイザーは、シート材を加工した際に発生する耳を縦横にカットして角型のペレットに加工するため、原料リターン時のハンドリングを容易にしています。
鶏糞や魚粉、汚泥といった原料を肥料ペレットへと加工するためのペレタイザー「粒造くん」シリーズを展開する、産業用機械メーカーの垣内。低速・低温で加工を行う粒造くんは、有機肥料の製造に適しています。
プラスチックの成形機器を手掛けるカツミックは、硬質・軟質プラスチックそれぞれに対応した水冷式ペレタイザー4シリーズ18モデルを展開しています。軟素材対応モデルの一部は、オプションでミニペレットに対応しています。
樹脂原料ペレットの製造に特化したペレタイザーと周辺機器の製造や、産業機械用精密部品の加工を手掛ける技研工機。同社は、引取ロールが片駆動のタイプと両駆動になったペレタイザーを、合わせて4機種製造しています。
機械部品製造やコンクリート関連の事業を展開する北川鉄工所。同社は環境関連事業の一環として、木質チップや廃プラスチックから燃料ペレットを製造するペレタイザーを手掛けています。
「砕く・剪る・選ぶ」をコア技術とし、さまざまなリサイクル関連機器を扱う近畿工業。同社が手掛けるフラットダイ式およびリングダイ式のペレタイザーは、樹脂や木材、紙といったさまざまな原料に対応します。
押出機や混錬機、フィーダー、計量機、バルクマテリアル・ハンドリングなどを扱っているコペリオン。樹脂や食品、医薬品、飼料や化学製品などをペレット化する、ペレタイザー5シリーズ37モデルを展開しています。
多種多様な粉砕機や破砕機を専門的に手掛ける三力製作所。同社では、造粒タイプのペレタイザーではなく、樹脂やゴム、ウレタン、段ボール、不織布などシート材のカッティングを行う角ペレタイザーを2機種製造しています。
伸栄工業は、切削加工、溶接加工、プレス加工など、お客様のニーズに合わせた加工機の設計・製造・検査までを一貫して自社でサービス提供。また、持続可能な発展への貢献を最大化することが人類共通の最重要課題の1つであると捉え、全組織を上げてSR活動にも力を入れています。
混練機などを手掛ける産業機械メーカー・新日南。同社では、集塵ダストや金属、汚泥などに対応するダウペレタイザーを製造しています。ダウペレタイザーは、ピンのついた回転軸を高速回転させて、原料を攪拌、造粒を行います。
さまざまなコンパウンド機器とリサイクル機器の製造を手掛けるタナカ。軟質、超軟質、硬質樹脂に対応したストランド・ペレタイザーや、シート材をカットする角切シートペレタイザーを製造しています。
徳機は、鋼構造物を手掛けるメーカーで、エコ事業部を立ち上げ、さまざまな環境関連機器の開発を行っています。徳機のペレタイザーは、ストランドが水と一緒に傾斜を下ってカットされる仕組みのアンダーウォーター・ストランド方式です。
押出機を中心としたペレット製造装置の開発・製造を手掛ける日本プラコン。同社のペレタイザーは、回転刃の軸が片持ちになっているため、安全性とメンテナンス性に優れているという特徴があります。
接着・コーティング関連機器と、ポリマー成形機器などを扱うノードソン。同社は多種多様な樹脂用ペレタイザーを手掛けており、マスターバッチ、コンパウンド、リサイクリングなどの目的に対応しています。
合成樹脂加工製品と機械製品を手掛ける萩原工業。スリッター使用の際にロス材となるスリットの耳をリペレ化するなど、プラスチックをリサイクルするためのペレタイザー3機種を製造しています。
プラスチック成形機器やリサイクル装置を扱うプラコー。同社は、工場で発生するロス材を再資源化するインライン・ペレタイザーと、粉砕から造粒までの工程を1台でこなすカッターコンパクター式ペレタイザーを製造しています。
メリットデメリットやメンテナンス方法など、ペレタイザーの導入を検討する際に知っておきたい基本的な情報をまとめました。
ペレタイザーは、ストランドカット方式、冷水ホットカット方式、水中カット方式の3種類があります。これらの種類のペレタイザーにはそれぞれ異なるメリットデメリットがあります。またメリットがデメリットとなってしまうケースもあります。
ペレタイザーはある程度の故障が発生します。そこで重要なことは、故障を未然に防ぐ定期的なメンテナンスと、故障が発生した際の対応。導入後、メーカーによるアフターサービスの体制次第では、故障を防止したり、故障発生時のダウンタイムを短縮できたりします。
ペレタイザーの設置方法は、製造するペレットの種類により、単体で設置可能なペレタイザーと、粉砕機や冷却装置、搬送装置、排水用タンクなどを合わせてライン型で設置するペレタイザーがあります。
初めてペレタイザーを導入するなら、いろいろな疑問があるもの。ここでは、ペレタイザーに関する疑問を紹介しています。
「ペレタイザーの耐久年数は何年?」「寿命はどのくらい?」など、ペレタイザーの耐久性は気になるポイントの1つ。一般社団法人日本鍛圧機械工業会が公開している耐久年数表である程度の耐久年数は把握できますが、使用する頻度や環境によっても異なります。
ペレタイザーは、個人向けから工場向けの大型サイズまであります。個人向けであれば2万円程度から販売されています。一方業務用の場合は、単体で10万円台~と高額になります。
ペレタイザーの導入をする場合、導入コストは気になるもの。「性能の良いものを導入したいがコストが掛かりすぎる…」そんなお悩みを抱える企業も多いのでは。そこでペレタイザーの導入コストを抑える手段の1つとして、中古を導入するという選択肢を紹介します。
ペレタイザーは、企業が事業活動を推進していく中で排出されるプラスチックや木材、ゴムくずなどを再生原料や再生燃料へ加工することが可能。ペレタイザーによる廃材の再生原料化や、廃材の製品化など、企業はSDGsへのさまざまな取り組みを行っています。